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のらくろという兵隊の休日。

■のらくろの孤児設定で『のらくろ自叙伝』にあった一文が本当に忘れられない。

「あの涙のように兵舎に溶け込んで、自分と軍隊の化合物になってしまえば、孤独感を引きずってさまよい歩かなくてもすむだろう、と思った」 

日曜に、帰る家のある戦友達を見送って。冬の空を見上げたら涙が窓枠に零れたという一節。

■それでのらくろは詩を作るんだけど、それが田河先生のダダイスト的なものがすごく出てる注目すべき詩。
「これはおれの涙だ   でもおれは否定する
俺は泣いた覚えはない  涙よ、お前こそ孤独だ」
涙が窓枠に染み込んで孤独でなくなった様に、自分も軍隊に染み込んだら孤独じゃない…!
そして、己自身(の感情の発露)である涙を否定することで新しい自身を腕づくで作り出してる。

泣いてなんかない!ってのらくろ意地っ張りだから…!!いいこだなああホントに!!
いつも元気で朗らかなのに、内面では孤独感を自分で克服しようとしてるとこが、ホントに可愛くていじらしくて立派すぎるよ…!!!つよいこのらくろ!!

■戦前版でも、のらくろがこじであるという話をみんな知ってて、普通のことのように云わせてるから、余計に響くというか。
デカも別に「ああ、班長どのは家族がいないから可哀想だ」とか云ったり、家族のことを下手に隠したりしないで、同情を一切描かないのもいいなあ、と心に残る。
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